グラブの革の種類
グラブ・ミットを購入する、またオーダーをする際に、グラブによって革質が違いますよね?
それはグラブに使われている革が違うからです。
以下に、主にグローブ・ミットに使われている革をまとめて見ました。
・ステアハイドレザー(主に北米産)
生後6ヶ月以内に去勢された生後2年程の牡牛の革。
硬式用、軟式用共に一番よくグラブ・ミットに採用されいる革で、耐久性に優れていると言われています。同じステアハイドでもメーカーによっては何種類ものステアハイドがあります。中でもローリングスのHOHと呼ばれる革は、多くのメジャーリーガーが愛用しています。価格帯は安いものから高いものまで様々です。
・キップレザー(主にオランダ産)
生後6ヶ月〜1年程度の牛の革。オランダをはじめとしたヨーロッパの国が主に原産国。稀にカナダなど北米産のキップレザーもあります。各メーカーの最上級モデルに採用されている革で、手触りがよく、しっとりした質感が特徴です。主に硬式用グラブに採用されていますが、過去にはアイピーセレクトが軟式用キップレザーグラブを販売されていた時期がありました。価格は他の革に比べてかなり高めになっています。
・和牛レザー(日本産)
日本和牛の革。主に硬式用のミットに使われる革(ハタケヤマ、タマザワ、ミズノなど)。硬くしっかりしているためミットには最適です。中でもハタケヤマの和牛は一級品。ツヤっツヤで触り心地も見栄えも最高です。私もいつか和牛革のファーストミットが作りたいものです。
以上の3種類になります。
他にもアトムズのフィニッシュエアシャーレザーや、シュアプレイが過去にカーフレザーなどもあります。
詳しくはグラブバイブルにも記載されています
結局おすすめの革はどれ?
おそらく多くの方はキップレザーが一番おすすめ!と答えるでしょう。
キップレザーグラブの歴史を振り返ると、初めてグラブにキップレザーを採用したのはミズノとのこと。初代ミズノプロを発売するにあたって、差別化の意味でキップレザーを採用したそうです。
当時としては破格の3万円超のグラブだったそうですが、それが大ヒット。
キップレザーは若い牛であることから、人間の赤ちゃんの肌がスベスベなのと同じで、キメが細かく触り心地がとても良いため最高級の革、一番良い革という扱いになっています
しかし、価格が高い、触り心地が良いというだけで最高級のグラブレザーと言っても良いのでしょうか?
私は必ずしもそうであるとは思いません。
実際、私はステアの方が耐久性があり、また軽いような気がします。
MIAMI MARLINS(マイアミ・マーリンズ)に所属するイチロー選手も軽いグラブを追求した結果、クレストハイドスプリームエリートというステアハイドのグラブ使用しています。
グラブ選びは守備が上手くなるためにするもの、良いグラブは長く使うことで自分に合ったグラブが出来上がっていくものです。
近年では原皮の価格は高騰しており、キップとステアの価格差はさらに大きくなっています。
コストパフォーマンスを考えると、私はステアハイドレザーが一番だと思います。
好みは人それぞれ
おすすめがステアハイドとはいえ、好みは人それぞれ。
中にはこんな選手も。
メジャーリーグ、トロント・ブルージェイズに所属する2015年MVPのジョシュ・ドナルドソン選手は背面はキップレザー、捕球面はステアハイドレザーと言うユニークなグラブを使用しています。